「近所で桜がキレイな場所でも探そうか」と、ウェブを見ていると、小田急沿線 自然ふれあい歩道 お散歩ガイド・柿生駅(王禅寺コース)なるお散歩地図を見つけた。
小田急沿線の様々な駅から出発するコースは、多彩でちょっとやそっとじゃ回りきれないほどの充実ぶりである。
ここではPDFの地図がダウンロードできるようになっていて、柿生(王禅寺)コースの場合、表紙から始まって、コース地図、見所の詳細(簡単な文章)、多摩丘陵の都市化の進行状況なる地図、そしてメモページと全部で6ページ。印刷してちょっとした散策のしおりとして持ち歩けるようになっている。
柿生(王禅寺)のコース図を追ってみると、柿生駅を出発、緑地や公園なんかを巡りながら、王禅寺ふるさと公園、王禅寺まで行って、また別のルートで駅に戻ってくるという全行程 約7.5kmの道のり。
この辺りはアップダウンも結構あるし、知らない道を地図頼りにキョロキョロうろうろしながら、疲れたら休みもするだろう し、少なくとも2.5時間以上は見ておいたほうがいいよなぁという感じ。
さて、特に桜がどうのという地図でもなさそうだけど、眺めていると、何度も歩いている道をちょこっと入ったところに、知らない公園やら神社やらがいくつもあるということに気づかせられる。
ということで、今回は全行程というのはさすがにパス。地図を見ていて気になった場所を何カ所か回ってみることにした。
むじなが池公園へ
まず初っぱなに行ってみたいと思ったのは、「むじなが池公園」である。
だって、名前がいいじゃないか。
”ムジナ”である。貉って妖怪?なのである。
「貉=妖怪(!?)」というのは、小泉八雲の怪談の中に「むじな」という話があるのをどこかで聞きかじったのを覚えていたのかもしれない。貉は狸や狐と並んで昔から人を化かす(惑わせる)狐狸妖怪の類とも言われていたのである。
しかして、貉というのは、狸に似た動物。いや実は生物学的には同じものらしく、つまりアナグマのことであると。でも、アナグマの方がよっぽど分からんよ(※狸という名前が中国から来る前までは日本では貉と呼んでいたという説明があった)。
むじなの話は、このくらいに。ネットに素晴らしいテキストを見つけたのでリンクをば(妖怪世界・貉)。
さて、むじなが池公園。着いてみると、ぽつとマンション群の中に残された、「自然を生かしました」といった風情で、ガチガチに整備されているわけでもなく、あるいは奥に進むと土手のまんま、「途中まではできたのだけど・・・」といった風景にすら見える。
緑多き丘陵地帯にあるマンション群、その中にあるむじなが池公園は、大きな建物に囲まれている割に、野趣あふれるというか、場違いというか、初めの印象はそんなだった。
つまり、思った以上に地味ぃな公園であったということである。
ところが、この公園からほんの2~3分程先、むじなが橋で私は、なるほどといった風景と出会うことになるのである。
え?こんな大きいのと、ちょっと意外な大きさのむじなが橋。下には、池から続く流れとちょっとした渓谷の体(てい)で広がっている。「コンクリ > 自然」だった景色が、いきなりここでは「コンクリ < 自然」に逆転する。
「なるほど、これありき、この景色込みのあの公園であるのであれば、説得力もある」と、ひとり合点がゆくのであった。
ところで、写真にある川沿いの遊歩道を進むと白山神社へ抜けられる。ちなみに、地図ではこの辺りに桜らしき木が2本イラストで書き込まれている(多少桜ありということか・・・)。
地図中に桜のイラストがたくさん描いてあったので、 次に、籠ノ口池公園に向かう。
未だ冬枯れ感に包まれている籠ノ口池公園(ろぐちのいけこうえん)

落葉樹が目立つせいか、花がないせいか、写真でみる籠ノ口池公園は未だ冬の風景ようにみえる(実際に行っても冬っぽい景色だけど・・・)。
住宅街のまっただ中にあるこの公園は、Google Mapに名前がなく、場所の特定にちと苦労した(他のMapには載ってるのかな?)。行ってみると、どうやら調整池の周囲の林に遊歩道などを整備した模様である。調整池は思った以上に大きく、確かに池の周りには桜が植えられているが、桜にもまだもちっと早いので、東屋がひとつあったりするのだが、未だ冬枯れまっただなかといった風景、むじなが池公園に負けず劣らずの地味さ加減であった。桜が咲くとパッと華やかになって印象も随分違うのだろうなと、桜の咲くのを楽しみに、最後の目的地月讀神社に向かう。
凛とした空気が漂う月讀神社(つきよみじんじゃ)

境内に入った途端まっさきに目に飛び込んできたのはこの椿の鮮やかな赤色だった
月讀神社の名前は、前に浄慶寺に出かけたときに道ばたの立て看板かなにかで見かけたことがある。その時は、少し探して歩いてみたが結局見つけることができなかった。
「月を讀む」とはなんともロマンチックな名前ではないか。神社の近くまで行くと更に多くの自然が残されていることに驚かされる。小高い丘の上に立つ神社の境内に入ると、もう盛りも過ぎた ― それでもまだ大振りの花をたくさんつけた ― 大きな椿の木の鮮やかな赤が目に飛び込んできた。

夕方近かったのもあって少し光線の具合も弱々しく、寂しげな印象の月讀神社
境内には私以外の人影はなく、しんと静まりかえっており、清掃の行き届いた小綺麗さが、夕方の少し冷たく感じられる空気と相まって凛とした雰囲気を醸し出していた。
帰りは、大きな鳥居をくぐり階段を下りて柿生駅方面に向かった。この神社の周辺は今まで回ってきた場所よりも際だって自然が多く残されているよう思える。今回いくつか回った中で一番お気に入りの場所である。
帰ってみると、途中多少迷ったことなどもあって、全行程、2時間半ほど散策だった。桜の咲いた頃にもう一度来てみよう。
※参考サイト:小田急沿線 自然ふれあい歩道 お散歩ガイド(柿生駅・王禅寺コース)
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